梅雨に入り、雨が降ったり止んだりする空が続いている。部屋の近くの民家でひっそりと育てられている紫陽花が雨の雫を拾って立派に咲いている。久しぶりに紫陽花を見た。
「お前バイトやめれば?」
毎晩のように部屋に来ている彼が言った。
「どうして?」
「俺に会いたくた入ったって言ってなかった?」
「うん」
「だったら毎日会ってるしもういいだろ?」
「でも一人暮らしでお金かかるし。どうしてやめて欲しいの?」
「俺が言ってるんだからそうしろよ。無駄遣いしなかったらやっていけるだろ」
彼は分かっている。私がすべてイエスと言うことを。
「そうだね、そうする」
『有楽』のアルバイトは楽しかった。仕事も難しくなく、今井とも仲良くやっていて辞める理由が見つからない。それでも彼が望むなら固執する必要もない。
彼を諦めようとしたのは100回や200回ではなかった。毎日何度も彼を思い出しては愛しさを殺す日々だった。それでも諦めきれなかった彼の傍にいられる今を手放したくない。
勤務最終日。会わなければよかったのか、運良く会えたのか正解の分からない訪問者が訪れた。
「お前バイトやめれば?」
毎晩のように部屋に来ている彼が言った。
「どうして?」
「俺に会いたくた入ったって言ってなかった?」
「うん」
「だったら毎日会ってるしもういいだろ?」
「でも一人暮らしでお金かかるし。どうしてやめて欲しいの?」
「俺が言ってるんだからそうしろよ。無駄遣いしなかったらやっていけるだろ」
彼は分かっている。私がすべてイエスと言うことを。
「そうだね、そうする」
『有楽』のアルバイトは楽しかった。仕事も難しくなく、今井とも仲良くやっていて辞める理由が見つからない。それでも彼が望むなら固執する必要もない。
彼を諦めようとしたのは100回や200回ではなかった。毎日何度も彼を思い出しては愛しさを殺す日々だった。それでも諦めきれなかった彼の傍にいられる今を手放したくない。
勤務最終日。会わなければよかったのか、運良く会えたのか正解の分からない訪問者が訪れた。