【短編】眠り姫に口付けを。





古い小さなその教会は、

門も開けたままただひっそりとそこにあって。


何故か僕はその教会の中では無く
小さな庭の方に足を運んでみた…



何だかいつも


彼女と逢っていた場所に似ていた気がして。

似てる…?



「あれ、…え、まさか……」

大きく見開いたままの僕の目。


その先にある小さな庭はまるでおとぎ話にでも出てきそうな雰囲気を漂わせている。



そう、


まるで社会科準備室の先のあの場所のように。



そして…



僕の夢の中の場所のように。