1章 翠に映える春

誰にでも秘密があって、裏表があると思う。
私は、どうしても自分の『秘密』が好きになれない。

人は自分のキライな所を秘密にする
私だってそう……

私のウラの姿は誰も好きになってくれない
本当の私は『ウラ』なのに

実月 永愛 高校2年生
私には、人より五感が敏感だという秘密がある。
例えば食べ物を食べたり、肌に触れられたりするとビクッと反応してしまい、大きな音には凄く怖がってしまう。

もちろんこんな秘密を知れば『変な人』と見る人も少なからずいるわけで……

小、中はは親友の笹倉 奏栄(ささくらかなえ)ちゃんとしか話していなかった。