「はい、できたよ」 私は、コンパクトミラーで自分の髪を確認する。 「下手でごめんね?」 「ううん、下手じゃないよ。京極くん上手!」 「それなら、良かった」 京極くんが、ふわりと微笑む。 京極くん、こんなふうに陽莉ちゃんの髪も結んであげてるんだな。優しいお兄ちゃんだなぁ。 京極くんが陽莉ちゃんに髪の毛を結んであげている姿を想像したら、自然と頬がゆるんだ。 「絃葉ちゃん、ポニーテールも似合うね」 「ほんと? ありがとう」 「あと、これ……俺からのプレゼント」