ゆーみ………?
そう無意識にも声を出してしまったから、彼は動きをピクリと止めたんだ。
暗闇のなか、細い路地裏。
地面に這いつくばる男を見下ろしている、真っ暗闇に染まった銀色を見た。
「……あっれ、どっかで見たことある顔」
若干と目を開いた彼はまた違う顔をする。
呆然と立ち尽くすわたしはあなたからのお下がりであるパーカーを着て、あまり履き慣れない靴を履いて。
「おうおう、派手にやってくれたじゃねェか」
「おまえが雲雀会のガキか?そいつはオレたちの仲間だ、生きて帰れると思うなよ」
すると、もっと奥から何人もの男たちがこちらに向かってくる。
ゆーみを取り囲むように立っては、眼光を尖らせながら恐ろしい雰囲気で包み込んできた。
「……なんだァ嬢ちゃん。自ら身ぃ差し出してきたってことは、どうなるか覚悟できてんだろうなァ?」
「ハッハッハッ!ガキに守らせるたあ、雲雀会のアタマが聞いて呆れるぜ」
両手を伸ばして、ゆーみの前。
だめ、ダメと、心のなかで繰り返しながら立った。



