ゲシッッ───!!!
「うぎゃあ…っ!いたいよおおおお……っ」
そのとき、背後に立った何者かの人影によって簡単に吹き飛ばされた少年。
「こいつだれ?やかましいんだけど」
「かかっ、カシラ…!実はこいつがですねっ、組長の大切な壺を……!!」
ゆーみが帰ってきた。
ゆーみが蹴った、ゆーみが泣かせた。
そもそもの発端である、ゆーみ。
さすがに本気で蹴ってはいないと思うけれど、子供にすら容赦ないのが戦闘狂だということ。
「ツボ?あー、それとっくに俺が前にも割ってセロテープでくっ付けてるし、別にいーよ」
「そ、そうなんスか…?セロテープって…」
「てか、こいつなに?さっさと蹴り飛ばせよ」
背中を蹴られた男の子、地面に転がって百面相。
とりあえずただじっと見つめていると、わたしの視線に気づいて涙目ながらに起き上がった。



