「おいニコ~、笑ってんならおまえも手伝え!ある意味カシラを変えちまったのはおまえの責任でもあるんだからな?」
「そーだぞ!ニコのことになるとカシラは判断力が鈍るんだ」
「あっ、おまえ!もうちょっとちゃんと塗装しろって!それじゃすぐハゲるだろ!」
「ちょ馬鹿ッ、ハゲとか言うなって…!組長に聞かれてたらどうなるか分かってんのか!!ああ見えてナイーブな心持ってんだぞ…!!」
みんなで和気あいあいと修理して、ようやく無事に完了して一息ついた頃だった。
屋敷の塀の先から飛んできた謎のサッカーボール。
まさかそれが中庭に飾ってあったとある壺に直撃するとは、だれが思っただろう。
────ガシャーーン!!!
「はっ!?ヤベェ!!あれって組長が去年の陶芸イベントで作った壺じゃねェかよ……!!」
「だれだゴラァ!!隠れてないで出てきやがれ…!!ぶっ殺すぞッッ!!」
壁のつぎは壺。
今日はもうひと嵐来そうだと、わたしはゆっくり立ち去ろうとしたのだけれど……。



