「勉強?」
「はい。どうにも最近、そんなことを思っているようで。きっと毎日手持ちぶさたな部分もあるんでしょう」
「勉強ねえ…」
朝になって帰宅してきたゆーみを捕まえて、なんとか話し合いにまで持っていくことができた。
ここまでしなければゆーみはまたどこかに行ってしまうため、矢野さんが協力してくれたのだ。
「最低限のコミュニケーションが取れて買い物さえできれば、ここにいる時点では必要ないと私も思ってはいましたが。しかしニコの将来を考えたとき───」
「あーごめん。眠気であたま回んない。簡潔に言って」
「一応はニコも年齢だけ見れば義務教育をするべき歳です。勉強は必要です」
お仕事は一応、きちんと毎日こなしている。
お仕事と言うよりお手伝いと言ったほうが正しいかもしれないけれど、だんだん日々の生活に慣れてきていた。
反対に時間が空くと手持ちぶさたになることも増えて、そこではテレビを見たり与えられた本を読んだりしているのだけれど。
勉強がしたい。
素直に言うと、ゆーみはどこか首をひねっていた。



