「兄貴がカシラに戻って、俺はまあ…幹部とか?そのへんがちょうどいーんじゃない?」
ハゲと、ハゲの遺伝を引いた次期ハゲと、母さんの血が濃い将来の毛根だけは安泰な俺。
が揃った1室にて、言われる前に提案を持ちかけてやった。
こんな家族会議、もしかしたら初めてかもしれない。
「自惚れるなと俺はさっきにも言ったはずだ。幹部?そこにも値しないのがおまえだろう」
「んなら、1舎弟でいーよ」
なんとかしてでも俺はこの屋敷に残れるルートを探していた。
本当なら今すぐにでも出ていってやりたいくらいだ。
カタギとして生きられるなら、普通になれるなら、俺だってガキのときからそればっかり望んでたよ。
ただ今は、ここにとある女の子がいる。
俺が残る理由なんかもう、それくらいだ。



