「憂巳、俺がいないあいだに手に入れたものは……こんなものか?」
「…そーだよ。どんなものより価値がある宝でしょ」
「……くだらない」
俺でよかったよ、ほんと。
こいつだったら音都ちゃん、きみはあの団
地で確実に死んでいた。
それか本当にカラダを売らせられて精神が崩壊してたかもね。
俺を戦闘狂だと恐れるならば、この兄貴はそれ以上の極悪非道だ。
血も涙もない、そんな概念すら捨て去った極めた道を生きる───ある意味この世界で生きるために生まれてきたような男。
「あーあ。俺の場所、なくなるねこれ」
「………カシラ、」
「いーよもう。たぶん明日からカシラでもなくなるし」
焦ってるよ、当たり前だ。
ここまで自分を変えて自分を殺してまで必死に手に入れた地位は、羽倉 憂巳という戦闘狂を作り出してきた努力は、水の泡みたいなもんなんだから。
あいつが現れただけで俺の価値なんか、もうない。



