甘えるのが上手なようで下手だから、なにかと理由をつけて甘えてくる素直じゃないところがあって。
暇つぶしで可哀想な少女をすくって、暇つぶしがだんだん興味本位に変わって、消えないようにと不器用ながらに大切にしている。
それが雲雀会の若頭さんだよ。
いいんだよ、それで。
「これ以上この組を、無価値なものにされるわけにはいかないからな」
「っ!千里さん、まだお身体を安静にしていなければ…」
「平気だ。相変わらずお節介が過ぎるぞ、矢野」
「…失礼いたしました」
やっぱり。
考察は大正解、はなまるだ。
開けてはいけなかったあの襖の先は、この人の部屋で。
そこに飾ってある写真に写った、ゆうみによく似たひと。
「憂巳、俺の代わりを務めただなんて自惚れてくれるなよ。おまえが俺にはなれないことくらい、生まれた瞬間から決まってるんだからな」
「…あんたも相変わらずだ。べつに代わりだなんて最初から思ってないさ。俺は俺で、雲雀会をのし上げてきたつもりだよ」
「……笑わせるな。出来損ないの失敗作が」
まるでさっさと偽物は消えろと、大きな悪夢が飲み込んでくるみたいだった。
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