長い授業が終わり、放課後になった。
背伸びをして凝り固まった体をほぐし、荷物の整理を始める。
帰り支度をしている時に時計を見て見たけどまだ30分になってない。
外に出て待ってよう。
「芽依〜、私迎え来たから帰るわ〜。じゃーね」
「うん、じゃあね」
荷物を持ってバタバタと帰っていく小春に手を振り返す。
私も外で待ってよ。
そう思い、荷物を持って校舎を出る。
その時、校門の方から黄色い声が聞こえてきた。
しかも、人だかりができている。
なんかあるの?
「お兄さん、誰か待ってるんですか?」
「・・・・・・」
そう思って徐々に近付いていくと、そこには女の子に囲まれている樹さんの姿があった。
終始迷惑そうな顔をして、腕組みをして無言を貫き通している。
まだ言った時間になってないのに・・・もう来てたんだ。
待たせちゃったかな?
そんなことを考えていると、樹さんが私の存在に気付いたようで、私とバチッと目があった。
その瞬間、腕を組むのをやめて女の子をかき分けて私の方へと向かってくる。
「言ってた時間よりずいぶん早いな」
「そういう樹さんこそ」
「待たせたくなかったからな。行くぞ。ここ、居心地悪ぃんだ」
少し嫌そうな顔をしながら、私の手を引いて歩き出す樹さん。
居心地悪いって、もしかして後ろにいる女の子達のことを言っているのかな?
そんな事を考えながら、樹さんの隣を歩く。
その場にいた女の子達が私に対して「あの子誰!?」とか「もしかして彼女!?」とかって騒ぎ出し、いたたまれない空気になる。
彼女かも・・・とか周りの人に勘違いされて、樹さん嫌じゃないかな?
そう思い、樹さんの方を見る。
だけど、樹さんは特に気にしていないようで、嫌そうな素振りも見せずに朝に車を停めた場所まで歩く。
そして、助手席側の扉を開いて私の方へ向き直った。
「お前ん家行くぞ。道案内たのむ」
「分かりました」
車に乗りこむと、朝同様に完全に乗ったことを確認してから扉を閉め、運転席へと乗り込む樹さん。
歩いても行ける距離だから、そんなに時間はかからないだろう。
「どっちだ?」
「右の方に進んでください、そしたらしばらく真っ直ぐです」
「わかった」
樹さんの問にシートベルトを締めながら答えると、私の言った通りに運転をし始めた。



