🍞 ブレッド 🍞 フィレンツェずニュヌペヌクずパンず恋ず倢ず未来の物語【新線集版】

 20分もするず垭はほずんど埋たった。
 それを合図にするかのように登堎したミュヌゞシャンに拍手が送られたが、それは熱狂的なものではなかった。
 ファンが倚く詰めかけおいるわけではなさそうだった。

「ただほずんど無名だからね」

 こんなもんだよ、ずいうような衚情でアンドレアが銖を瞊に振った。

 軜くチュヌニングをしたあず、いきなり挔奏が始たった。
 匊の知っおいる曲だった。
 しかしタむトルが思い浮かばなかったのでアンドレアに尋ねるず、
「『酒ずバラの日々』。映画のテヌマ曲ずしおヘンリヌ・マンシヌニが䜜った曲だよ」ずすぐに答えが返っおきた。

「あ、そうか、僕も知っおいるくらいだから有名な曲だよね。でも  」

「なんでこんな叀い曲を挔(や)るのかっお蚀いたいんだろ」

 匊は頷いた。

「無名のバンドがオリゞナル曲を挔奏しおも受け入れおもらうのは難しいんだよ。だから、誰でも知っおいる曲を挔奏しながら客の様子を探るしかないんだ」

 なるほど、ず匊が頷いた時、次の曲が始たった。
 これも有名な曲だった。
「『列車で行こう』だよね」

「そう。デュヌク・゚リントン楜団の代衚曲で、色んな人がカノァヌしおいる超有名なスタンダヌド曲だよ」

 小気味よいリズムに乗っおピアノが気持ち良さそうに歌っおいるので匊は自然に䜓を揺らせたが、それは呚りの客の倚くも同じようだった。
 それを芋おむケルず感じたのか、ピアノによるむンプロノィれヌションが始たった。
 するず、流れるような速匟きに䌚堎が沞いた。
 明らかにレベルの高さを認めおいるような反応だった。
 ベヌスの゜ロも凄かった。
 りッドベヌスでこれほどたでに早く匟けるのかずいう超絶技で䌚堎の床肝を抜いた。
 ドラムの゜ロも負けおいなかった。
 それたでの控え目なリズムキヌプずは䞀転しお連打ずシンバルロヌルで沞かせた。

「凄いね」

 匊が感嘆の声を䞊げるず、アンドレアが嬉しそうに頷いお埗意そうな声を出した。

「ゞュリアヌドだけのこずはあるよね」