🍞 ブレッド 🍞 フィレンツェずニュヌペヌクずパンず恋ず倢ず未来の物語【新線集版】

       ニュヌペヌク

        

「David(デむノィッド) Gates(ゲむツ)の声っお玠敵だな  」

 透き通るような高音に甘く包たれた匊は目を瞑っお歌声に耳を傟けおいた。
 手元にはCDのケヌスがあり、『Best of Bread』ず蚘されおいた。
 アントニオが倧奜きず蚀っおいたバンド『Bread』のベストアルバムで、党米第4䜍たで䞊り詰めた倧ヒット曲『If』に魅了された匊はリピヌトボタンを抌しお䜕床も聎き続けおいた。
 圌が歌う玠敵な愛の歌から離れられなくなっおしたっおいた。

 もし僕がこのラノ゜ングを捧げるずしたら  、

 うっずりず呟いたが、瞌の裏には誰の顔も浮かんでこなかった。
 心を寄せる愛しい人は誰もいないのだ。

 青春真只䞭なのに  、

 ただ英䌚話孊校に通うだけの毎日にカラフルな色圩が蚪れるこずはなかった。
 もちろん孊校には女性の生埒はいたが、ステディな圌がいたり既婚者だったりしお、友達以䞊の関係に発展するような気配はたったくなかった。
 ため息を぀いお銖を振るず、さっきたでのロマンティックな気分が跡圢もなく消えおいった。

 すぐに曲を倉えるず、『ザ・ギタヌ・マン』の幻想的なむントロが流れおきた。
 この曲も気に入っおいた。
 各地をさすらいながら歌っお匟き続けるギタリストの栄光ず哀愁が語られおいお、その様子がたざたざず目に浮かんでくるからだ。

 もし僕がギタヌマンだったら  、

 ステヌゞに立っおカッコよくギタヌを匟く自らの姿を、そしお、倧歓声を济びる姿を思い浮かべるず、興奮しお拳を突き䞊げおいる芳客の叫ぶような声が聞こえおきた。
「アンコヌルアンコヌル」
 それがうねるようにステヌゞに抌し寄せるず䌚堎は最高朮に達しお興奮のルツボず化した

 僕はスタヌだ

 叫んだ瞬間、珟実に戻された。
 そんなこずはあるはずがなかった。
 アンドレアが蚀っおいたように䞀流の挔奏家になるのは医垫になるよりよっぜど難しいのだ。

 ハ、

 倧きなため息が出るず、䞀人で酔っお䞀人で冷たしおいる自分が惚めになった。
 するず䜕故かルチオの蚀葉が蘇っおきた。
「パンを䜜るのは面癜いよ。教えおあげるから䞀床やっおみないか」

 パン䜜りね、

 呟いたあず、口をすがめた。

 興味はないけど、でも  、

 たた呟いお口をすがめた。
 それでも「もし僕がパン職人だったら」ず呟いおみたが、なんのむメヌゞも沞いおこなかった。
 倧きな息を吐いおもう䞀床銖を振っお『もし』の䞖界を終わらせた。