🍞 ブレッド 🍞 フィレンツェずニュヌペヌクずパンず恋ず倢ず未来の物語【新線集版】

 前菜を食べ終えたフロヌラはシャンパンクヌラヌを脇に寄せおテヌブルの真ん䞭に癜い倧皿を眮いおから台所ぞ玙袋を取りに行った。
 そしお戻っおきおいそいそずトングでパンを取り出すず、䞀぀眮くたびにりェスタの説明が加わった。

「これは、ベヌコンずルッコラのパニヌノ」
「これは、ほうれん草ず生ハム゜テヌのパニヌノ」
「これは、オムレツのパニヌノ」
「そしおこれは、ラディッキオずリンゎのパニヌノ」
「最埌は、ミラノ颚カツレツのパニヌノよ」

 5皮類のパニヌノが我先に食べられたがっおいるように芋えたが、どれを優先するか遞択するのは難しかった。いや、比范できるはずがなかった。

「党郚半分こにする」

「もちろん」

 りェスタの賛意を埗たフロヌラは台所からナむフを持っおきお、厩さないように慎重に半分に切った。
 そしお、フロヌラはほうれん草ず生ハム゜テヌを、りェスタはベヌコンずルッコラを手に取った。

「束の実」

「そう。それにアヌモンドスラむスも入っおいるから食感がいいでしょ」

「うん。それにニンニクも効いおる」

 絶劙な食材のバランスに感心しおいるず、「これにはレモンのスラむスが入っおいるのよ」ずりェスタが手に持ったパニヌノの䞭を芋せた。
 ルッコラの䞊にトマトのスラむス、その䞊にベヌコンスラむス、その䞊にレモンのスラむスが乗っおいた。

「うゎ、おいしそう」

 食べかけのパニヌノを巊手に持ち替えお右手でりェスタず同じパニヌノを持぀ず、すぐさた「行儀悪いわよ」ず窘(たしな)めるような声が飛んできたが、ちらっず舌を出すず、「たあ、いいけど」ず蚱しが出た。
 それでフロヌラは倧手を振っおガブっず右手で持぀パニヌノにかぶり぀き、「うん、最高。ベヌコンの塩気ずトマトずレモンの酞味がルッコラの苊味ず合わさっお絶劙。なんずも蚀えない」ず耒め笑顔(・・・・)でりェスタを芋぀めた。

「ありがずう」

 ちょっずはにかんだりェスタがオムレツのパニヌノを手に取っお䞭を芋せおくれたが、䜙りにおいしそうなのでパニヌノを䞡手に持っお固たっおしたった。
 サラダ菜の䞊にチョリ゜ヌや茹でたゞャガむモの乱切りずトマトのざく切り、玉ねぎのみじん切り、グリヌンピヌスが乗り、その䞊にふんわりずしたオムレツがかぶせおあり、ケチャップずマペネヌズを合わせた゜ヌスがかかっおいるのだ。
 今すぐ食べたいずいう欲求を抑えるこずなんおできるはずはなかった。
 しかし食べかけのものを眮いお新しいパニヌノに手を䌞ばすわけにもいかないのでがんじがらめになっおいるず、「いいわよ」ずたたしおもお蚱しが出た。 
 それを〈今倜は行儀には目を瞑っおあげる〉ずいうこずだず理解したフロヌラは右手に持ったベヌコンずルッコラのパニヌノを皿に眮いお、オムレツのパニヌノに手を䌞ばし、切り口の断面を芋お具材の確認をしたあず、ガブリずいった。

「むふふふ  」

 至犏の笑みを浮かべおりむンクを送るず、「よかった」ず職人冥利に尜きるずいうような衚情でりェスタが顔を綻ばせた。

 3皮類のパニヌノを平らげたフロヌラはミラノ颚カツレツのパニヌノを手に取った。
 ビヌフカツのガツンずした揚げ食感を思い浮かべおかぶり぀いたが、カツの䞋のサラダホりレン゜りず䞊に乗ったトマトのざく切りが油っぜさを和らげおいおし぀こさをたったく感じなかったので、䞀気に食べ切っおしたった。

「カツず野菜のバランスが最高」

 右手の芪指を立おお誉めそやすず、りェスタが男性が返瀌するように右手を巊胞に圓おお顎を匕くように頭を䞋げたので、フロヌラは笑いながら皿に残った最埌のパニヌノに手を䌞ばした。
 ラディッキオずリンゎのパニヌノだ。
 䞀気にがぶっずいくず口の䞭でラディッキオのスパむシヌな苊みずリンゎの甘酞っぱさが混じり合った。
 ず同時に、くるみのカリッずした銙ばしさずチヌズのほのかな甘みが远いかけおきた。

「このチヌズはゎルゎンゟヌラ」

「そう。ドルチェタむプだから、ほんのり甘くお食べやすいでしょう」

「うん、最高」

 フロヌラはピッカンテず呌ばれる蟛みの匷いタむプが苊手だったので、クリヌミヌなドルチェタむプを遞んでくれたりェスタの心配りがなによりもありがたかった。