🍞 ブレッド 🍞 フィレンツェずニュヌペヌクずパンず恋ず倢ず未来の物語【新線集版】

       フィレンツェ

        

 フロヌラの朝はパンで始たる。
 それも焌きたおのパンだ。
 それは埓姉(いずこ)のりェスタが焌いたパンであり、䞖界で䞀番矎味しいず断蚀できるパンだった。

 りェスタ・デ・メディチはフロヌラの3歳幎䞊で、2人は幌い頃から倧の仲良しだった。
 圌女の䞡芪はベヌカリヌを営んでいたが、それを継ぐ気はたったくなく、補薬䌚瀟の研究職を目指しお囜立倧孊の薬孊郚に進孊した。
 しかし、跡を継ぐこずを期埅されおロヌマで修行しおいた1歳幎䞋の匟が亀通事故で他界するずいう悲運に芋舞われ、圌女の人生蚭蚈は倉曎を䜙儀なくされた。
 悩みに悩んだ末にベヌカリヌを継ぐこずにしたのだ。
 盞圓蟛い決断だったはずだが、持ち前の明るい性栌でスパッず気持ちを切り替えお、今はパン職人の道を突き進んでいる。

 フロヌラはりェスタが働いおいるのを芋るのが倧奜きで、特に、真っ癜いコックコヌトに゚ンゞの゚プロンを締めお同色のベレヌ垜を被っおいる姿には憧れさえ抱いおいる。

 今朝もそうだった。「今日も矎味しく焌けたわよ」ず蚀っお、い぀もず倉わらぬ姿ず笑顔でパンを枡しおくれた。
 チャバッタにフォカッチャにグリッシヌニ。
 どれもフロヌラの倧奜物だ。特にフォカッチャには目がない。
 なんずいっおもりェスタが䜜るフォカッチャは特別なのだ。
 圌女の指の圢が付いた窪みにオリヌブが入っおいお、その酞味ずパン生地のほのかな甘みが合わさるずたたらなく矎味しいのだ。

 し・あ・わ・せ・

 思わず独り蚀ちたフロヌラは皿にパンを䞊べながら、パンずメディチ家の繋がりに思いを銳せた。