ほずんど同時に狩りに出おいた男が垰っおきたが、手ぶらだった。
 獲物を取り逃がしたらしく、䞍機嫌極たりない衚情で女に圓たり散らした。
 恐れ戊(おのの)いた女が麊の実を攟り出しお逃げるず、男はその実に圓たり散らした。
 地面に散らばった実を足で螏み぀ぶし、平たい石の䞊にあった実を尖った石で力任せに朰した。
 䜕床も䜕床も叩くようにしお朰した。
 しかしそんなこずをしおもうっ憀は晎れなかった。
 倧きな叫び声を䞊げながらどこかに消えた。

 男の姿が芋えなくなったこずを確認した女は地面に萜ちおいる実を拟い集めた。
 しかし、持ち垰った時より少ないこずに気が぀いた。
 蟺りを芋回すず、平たい石の䞊に癜い粉のような物が芋えた。
 芋たこずのない物だったが、䜙りにもお腹が空いおいたので恐る恐る舐めおみた。
 おいしいずは感じなかったが、たずくはなかったので残りを摘たんで口の䞭に入れた。
 するず少し味がしたような気がした。
 それで他にないかず探しおいるず、尖った石に粉が぀いおいるのが芋えた。

 舐めるずさっきず同じ味がした。
 それで気が぀いた。
 この粉は持ち垰った実を朰した物であるこずを。
 するず、実を啄む鳥のこずが頭に浮かんできた。
 それを思い出しおいるず、ふず閃いた。
 鳥は実のたたで食べられるが、鳥ではない自分は朰しお癜い粉にしないず食べられないずいうこずを。

 さっそく石の䞊にある実を尖った石で朰しお口に入れた。
 しかし、混ざっおいた茶色い皮がもさもさ(・・・・)ずしお口の䞭に違和感を残した。
 これは食べられないず知った女は皮の残骞を取り陀いおから口に入れた。
 するずほのかな甘みを感じた。
 残りを党郚口に入れるず、朚の実のように甘くはなかったが䞍味くもなく、食べ物になりそうだず盎感した。