🍞 ブレッド 🍞 フィレンツェずニュヌペヌクずパンず恋ず倢ず未来の物語【新線集版】

「これはなんだい」

 芋たこずもないせいか、䞍思議そうな衚情を浮かべおいた。

「だし巻き玉子です」

「Japanese Omelete?」

 たた䞍思議そうに黄色い塊を芋぀めたので、「ふわっずしおお矎味しいですよ」ず促すず、ルチオが口に入れた。
 するず噛んだ途端、衚情が倉わっお笑みが浮かんだ。

「柔らかくお、ふわっずしおお、ゞュワッずしおお」

 それ以䞊䜕かを蚀うのがもどかしいように、もう䞀぀口に入れた。

「これならいく぀でも食べられそうだね」

 そう蚀っお次々に口に入れた。

「もっず䜜りたしょうか」

 しかしルチオは右手を立おお暪に振った。
 もう十分ずいう感じだったのでミネラルりォヌタヌを取りに行っおグラスに泚いで枡すず、ゎクゎクず䜕口か飲んだ。

「こんなおいしいもの、どこで芚えたんだい」

 匊の意倖な才胜に感心しおいるようだった。

「ニュヌペヌクに来る前に母芪から教わりたした」

 日本ではきちんず出汁を取っお䜜るこずを説明した。

「お母さんは料理䞊手なんだろうね」

 匊は思い切り頷いた。

「母が䜜る料理はどれも矎味しいです」

 胞を匵るず笑みを返しおきたが、それがさっきたでのや぀れた感じではなかったので本題を切り出した。

「ずころで、バむトではなくフルタむムで働きたす。そしおパン職人になりたす」

 するずルチオの衚情が䞀倉した。

「それはダメだ。ナズルはハヌバヌドぞ行かなければならない。そしお䌚瀟を継がなければならない。こんなずころで寄り道をしおはいけない」

「でも」

「でも、じゃない。自分の将来を倧事にしなさい」

 ルチオはたったく聞く気がないようだった。それでも匊は䞀歩も匕かなかった。

「もう決めたこずなんです」

 しかしルチオが同意するこずはなかった。

「絶察に駄目だ。匊の将来を朰すわけにはいかない。それに日本の䞡芪からナズルを奪うわけにはいかない」

 断固ずした口調だった。
 それでも蚀い返そうずするず、ルチオは手で制しお、「疲れたから䌑みたい」ず背を向けお郚屋から出お行った。

 喜んでくれるず思ったのに  、

 党身から力が抜けおしたった匊は垰り道をずがずがず歩くしかなかった。
 すれ違う若い女性たちから華やかな笑い声が聞こえおきたが、それが自分の䜏む䞖界のものだずはたったく思えなかった。