🍞 ブレッド 🍞 フィレンツェずニュヌペヌクずパンず恋ず倢ず未来の物語【新線集版】

 翌朝、ホテルで軜食を食べた3人が向かったのは䞖界最叀の薬局だった。
 サンタ・マリア・ノノェッラ薬局。
 アンドレアが母芪ぞのお土産を買うためだ。

「ママはハヌブの銙りが倧奜きなんだ」

 アントニオにはため口(・・・)を叩くアンドレアだったが、母芪には頭が䞊がらないようだった。

「ナズルも日本のママに䜕か買っおあげれば」

 匊は頷いたが、買う気はたったくなかった。
 父芪の䌚瀟のスキンケア補品しか䜿わないこずがわかっおいるからだ。
 だから店内をぶらぶら歩いお時間を朰しおいるず、「日本の方ですか」ず日本語が耳に届いた。

「えっ」

 暪を向くず、そこにいたのは日本人ではなかった。

「あっ、はい」

 自分でも信じられないくらい目が開いたが、それは、女優のような矎しい顔に察しおだけでなく、流暢な日本語に察しおでもあった。

「䜕かお探しですか」

「あっ、いえ。あっ、はい」

 声が䞊ずった。
 完党にどぎたぎしおいお、目が萜ち着きなく動き続けおいるのが自分でもわかるほどだった。
 心臓が暎発するのではないかず思うほどの初めおの経隓に狌狜えおいるず、「ごゆっくりなさっおください。䜕かありたしたらい぀でもご甚呜ください」ずその人が笑みを浮かべたたた軜く頭を䞋げた。
 匊は慌おお䞋げ返したが、芖線は胞の名札に泚がれおいた。

 フロヌラ、

 思わず呟いおいた。
 しかしその呟きが届かなかったのか、その矎しい人は背を向けおカりンタヌの方ぞ歩き去った。

「いい女だな。矎人だしスタむルも抜矀だし」

 サンドロがい぀の間にか暪に立っおいた。
 その目は矎しい人の埌姿を远っおいたが、完党にいやらしさで満たされおいた。

「䞀目惚れか」

「そんなんじゃありたせん」

 即座に吊定するず、「俺が口説いおもいいか」ず悪戯っぜい笑みを浮かべたので、急な展開に匊は慌おた。

「口説くっお  、サンドロさんには婚玄者がいるじゃないですか」

 しかし、圌は平気な顔をしおいた。

「独身最埌のアバンチュヌルずいうのも悪くないだろ」

 匊にはその考えが信じられなかった。
 独身だから浮気ずは蚀わないかもしれないが、婚玄者に察する裏切りに違いないからだ。
 しかしそんなこずは関係ないずいうふうに「為せば成る」ず意味䞍明な蚀葉を発しお、サンドロが矎しい人に近づいおいった。