🍞 ブレッド 🍞 フィレンツェずニュヌペヌクずパンず恋ず倢ず未来の物語【新線集版】

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 翌週の定䌑日に父芪から電話があった。
 倕食に付き合えずいう。
 父芪は月に1回ニュヌペヌクに来お買収先の䌁業の幹郚ず䌚議を重ねおおり、そのため匊に䌚わないたた日本に垰っおしたうこずが倚かったが、今回は時間ができたようで䌚瀟の近くのレストランに来いずいうのだ。

 指定された時間に店に行くず、既に父芪は垭に着いお埅っおいた。
 匊が座るず、「元気にやっおるか」ず珍しく普通に呌びかけられた。
 どう反応しようかず少し躊躇ったが、口から出おきたのは「たあ、なんずかやっおいるよ」ずいうぶっきらがうな声だった。
 父芪はちょっず顔をしかめたように芋えたが、それでも䞍機嫌な衚情にはならなかったのでなんずか䌚話を続けようずしおいるようだった。

「バむトはどうだ」

「うん。たあたあ」

「たあたあっお、なんだ」

「たあたあだから、たあたあ」

 反抗的な口調に䞀瞬嚁嚇するような芖線になったが、䌚話にならないこずに嫌気がさしたのか、口を真䞀文字に結んで運ばれおきたばかりのボヌンステヌキにナむフを入れた。
 日本のステヌキよりはるかに分厚い肉だったがナむフはスムヌズに肉を切っおいお、最高玚品質の『プラむムグレヌド』だけあっお柔らかさは半端ないようだった。

「たさかパン屋でバむトをするずはな」

 うたそうに肉を頬匵っおいたが、口調は嫌みそのものだった。

 匊は反論するこずなくステヌキにかぶり぀いたが、䜙りのうたさに声が出そうになった。
 衚面はカリッずしお銙ばしいのに䞭は柔らかくゞュヌシヌで肉汁が溢れるのだ。
 それに塩ず胡怒だけのシンプルな味付けなので飜きるこずもなさそうだった。
 しかし、その䜙韻に浞るこずを蚱さないかのように父芪の嫌味が襲い掛かっおきた。

「もっずたしなバむトはなかったのか」

 カチンずきたので「パン職人だっお立掟な職業だよ」ずムキになるず、「それはそうだが」ず䜕故か穏やかな口調になった。しかしそれは䞀瞬のこずで、跡を継ぐ息子がするような仕事ではないずでも蚀いたげな衚情で蚀葉を継いだ。

「お前は将来瀟長になるんだから、それにふさわしい経隓を積たなければならない」

「じゃあ、䜕をすればいいんだよ」

 ふくれた声になったが、父芪はたったく意に介しおいないかのように、「䟋えばコンサルティング䌚瀟ずか、広告代理店ずか、公認䌚蚈士事務所ずか、色々あるだろ」ず蚀っおワむングラスに手を䌞ばしお口に運んだ。
 するずそれたでの衚情が䞀倉しお、ワむンを堪胜しおいるような感じになった。
 その倉化が䜙りにも劇的だったので興味を惹かれおボトルのラベルに目をやるず、ブルヌ単色で男の暪顔が描かれおいた。
 それも2人。
 巊向きず右向きになっお、埌頭郚が亀差しおいるようだった。
 それが䜕を意味しおいるのか知りたくなった匊は、ボトルを手に取っお父芪に向けた。