一度逃げようとした前科があるわたしを優衣は全然信じていなくて。
わたしが車に乗るように肩にかけていたかばんがするりと優衣の手によって落とされる。
そしてぽいっと車の中に軽く放り投げられた。
「ほら、乗って」
そんなん言われたらわたしは「うん」としか言えなくなる。
わたしを先に後部座席に乗らせてあとから隣に優衣は乗ってきた。
「ご飯は食べた?」
「ううん。まだだよ」
流れていく景色を車内から眺める。
優衣は特に何か話して来るわけでもなくて車内は静か。
でも自分から話すような空気でもない。
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