そんなこと考えながらなんとなく外を見ていると。
――――トントン。
突然、廊下から扉をノックをする音が聞こえた。真っ白な扉の向こうで人の気配を感じる。
先生かな…？
「……どうぞ」
わたしが返事をするとすぐ、扉がゆっくりと開いて。
「すみれ……？」
と、低めで、でも優しく。
すっと耳に入ってくるような声が耳に届いた。
「何してるの。」
確実にわたしへと向けられた言葉の持ち主を確認しようと声をする方を向く。
「……っ！？！？」
扉の間からこちらに向けられた人物の顔を見たとき、心臓がいやにドキッと揺れる。
先生じゃなくて……。
長身ですらっと伸びた足。
少し毛先のうねったきれいな黒色の髪は風に揺れてふわりと泳いでいる。
「ゆ、優衣……!?」
返答が返ってこないことを不思議に思っているのか、軽く首を傾げている姿がモデルのようだ。
制服の白いブレザーが誰よりも似合う
わたしのご主人様がいた。
