かと思ったら
「っ!!!」
そのままくるっと180度回転されて、パチリと優衣と目が合う。
「命令、聞けないの?」
「め、命令……!?」
「そう、これ命令ね。
俺と映画を見て欲しいって言う命令」
そんな命令聞いたことないですけど。
なんて言える身分でも雰囲気でもないけど、多分顔に出てなんだと思う。
くすくす笑いながら優衣は。
「映画見れない理由は?」
「理由って、まずメイドだし」
「じゃあ、今だけメイドやめて」
「そんな無茶な………」
わたしが口を開いて、軽く優衣を押し返そうと胸に手を置いた時、優衣の手がわたしの首の後ろに回った。
「ちょっ、と……、ゆい!」
心臓が、痛いぐらいに動き出す。
でもこれは優衣のなのか、わたしのなのか。
目の先から感じる鼓動と体の中から感じる鼓動の区別なんてつかない。
な、に…。
「ぃや、ひゃ!」
優衣の手首がいやにわたしの首に触れた。少し冷たい肌の感覚にぎゅっと目を瞑る。
自分の体の温かさと優衣の手首の冷たさで酔いそうになる次の瞬間、ひらっと首の後ろで結んでいたエプロンひもがほどけた。



