そんな学校に小等部のころから通っているわたし、今川 菫は普通の一般家庭で育った、いわゆる庶民だ。
この学校に通うのはご子息やご令嬢ばかり。
そんな人たちを前にして授業する先生たちはいつも気を張っている。
そんな中、普通の庶民であるわたしは目立つのか。利用しやすいのか。
何かと頼まれ事をすることが多い。
きっとこの学校でプリントを整理している生徒はわたしだけ。
誰もいない教室にプリントをめくる音が響いているなか、外からは上品な笑い声がかすかに聞こえてきて。
庶民との差を感じるような………。
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