近距離恋愛はむずかしい




「……っ、ぁ、」




なんて、最後にほんの少しの、わずかな隙間から、小さな吐息をこぼしてそれは離れていた。




「……ぁ、あま。
先輩いちご味の飴とか食べてたでしょ」



よけい甘いじゃん。

こつん、ておでこが触れ合って、鼻と鼻が着きそうなぐらいの近さ。


そんなところで囁いてくる。




「……っ、先輩、後輩ルートなんてどうですか……?」





すぐ近くで晴海くんが何か言っているけど、頭も瞳をぼんやりとして何も入ってこない。





えっと、いま唇当たった……?

わたし、晴海くんと……。





ぱちぱち、と瞬きする。

起こったことを少しずつ整理して、ようやく理解した。

その時には体中が燃えてるみたいに熱を帯びる。



こんなこと、あっていいはずないでしょ。





「先輩、聞いてます?」

「は、はい……?」




ぐいーって、ほっぺを引っ張られたら意識が戻ってくる。

そこにはほんのり赤い晴海くんの顔。





「だってあまりにも鈍いから」

「…え?」

「これでも一応はわかりやすくアプローチしてるのに気づかないから」