パチッ…て音とともに第一ボタンが外れたとき。
冷静さを少しだけ取り戻して。
「……晴海くん…!」
少しの力だけど両手で押し返した。
「ね、今川さん。
下の名前で呼んでいいですか?」
出た。晴海くんの、ね。
ね、から続く会話はいつもおねだり。
だから何を言われるのかと思ったら、呼び方の変更。
そんな許可とる前に呼んでたくせに。なんて心で思いながら。
「……だめ」
「菫先輩」
ちょっと人の話聞いてた!!
ただでさえ整った顔で近くにいたら他の女子からチラチラ見られるのに、名前で呼ばれだしたら終わりだ。



