「あのですね、優衣さま」
「なんでそんな距離ある話し方なの。ダメって言ったよね?」
「それが、優衣さま。なにかの間違いだったりはしませんか?」
「しないよ。しないから今ここに二人でいるんでしょ」
静かにゴーンなんて、時計の鐘の音が鳴った。7回も。
空もすっかりと暗くなって、空気も凍えるぐらいは寒いはず。
そろそろ帰らなといけない。
「優衣」
静かに呼んだら、わたしの言葉を待ってくれる。
「数週間、避けちゃってごめんね」
「そんなのいいよ。もういっぱいご褒美貰ったから」
そう言うことを真顔で言っちゃうからダメなんだよ。
冗談みたいなことを真面目な顔で言ったら勘違いする。
現にわたしの顔なんてきっと赤いはずだし。



