近距離恋愛はむずかしい






夜遅く10時。


家に帰って玄関を開けたら、なぜかお母さんが立っていた。


予定より遅かったから心配してたみたいだけど、あたしの泣き散らした顔を見て何か察してくれたみたいだった。





「お父さん、どこかな?」

「……リビングにいるはずよ」





正直怖いよ。
神楽家との縁談なんてそんなの、うちからしたら喉から手が出るほど欲しいはず。それを破断にしてきたあたし。





「お父さん」





リビングにいたお父さんの静かに呼んだら、振り向いてくれてあたしの顔をみて、この人もほんとびっくりしてる。


あたしの顔そんなにひどいのか……。





「縁談、なかったことにします」





泣くな。


絶対泣くな。


ここで泣いたら優衣くんが悪いみたいになる。





「よろしくね!!」





少しでも大丈夫に見えるように精一杯の笑顔で言った。