運ばれてきた料理を食べ終わって、試しにバルコニーに出てみたら温まっていた体が冷たい空気の冷やされて心地いい。
ここから見える夜景なんてとってもきれい。
ちら、と優衣くんを見上げたら、彼は真剣に夜景をみていた。
その横顔の輪郭に、どきん、と胸が痛くなったのは、たぶんこの場の空気の酔ったせい。絶対そう。
今日であたしは学校の優衣くんのことが好きな人よりちょっとだけ優衣くんのことを知れた。そして知ってもらった。
好きなゲームが一緒だったこと、なんだったら好きな武器も一緒だったこと。
王子様って呼ばれることへの思いなんてものまで聞いちゃって。
「優衣くんはなんで菫に思いを伝えないの?」
「え?」
「いや、なんでもない」
こんなのあたしが踏み込んでいい土俵じゃなかった。
反省だな。
優衣くんの思い。
そんなの12年も友達してたら当たり前のように気づくもの。
たぶん学年のみんな知っていること。



