あたしの父の会社で開催されたパーティー。
その会場の隅で女の子と話してる友達なんて見たらどうしても気になってみてたらこの会話。
絶対女の子優衣さまのこと好きだし、それをああにも別に声に出して振ったわけでもないのに心打ち砕くとかさすがすぎ。
女の子はすぐにどっか行っちゃって一人残された優衣さまのとこに行く。
「本当に知らなかったの?」
「…………本当に知らなかったよ。名前聞いたら思い出したけど」
あの優衣さまが知らないようなご令嬢とは思えないけど、まぁーそんなことにしておくか。
なんて心の声は優衣さまに読まれたらしく、笑った。
「あはは、本当に思い出せなかったって。名前と一緒に会社の名前言ってくれたから会社で分かった」
「一応あの子もステラだからね、学年違うけど」
「それは覚えておかないと面倒そうだね」
女の子の名前は覚えてないけど会社を言われたらわかるところも、好意を示してくれている人が同じ学校だったらめんどくさいと思っちゃうのも。
全部、こわい。
この人は自分には興味がないんだと思う。
だから自分に好意を向ける人をちゃんと見ていない。
それか
わざと見ないようにしてるんだ。
優衣さまの隣に並んだら目の前に広がるキラキラ輝いた世界を見る。
大きなシャンデリアがこの会社の大きさを示しているみたい。
スーツの高級さは地位の高さを。
連れている奥さんや子供の美しさも天秤のかけてしまう。
あたしはこんな世の中がいやだ。
でも蒼木財閥のご令嬢なんて肩書きもって生まれてきて、こうやって隣には会社の子息の友達がいる。
すっかりあたしも染まってるんだね。
この人を好きにならないようにしなきゃ。
こんな残酷な人に恋をしたら、きっといつか傷つく。
それは嫌。



