「晴海くーん」
呼ばれた名前に振り返って、呼んだのがわたしだとわかると顔が驚いている。
「どうしたんですか?」
「はちまきなんだけど、キャンセルしてもいい?」
そんなわたしの言葉に晴海くんは顔をしかめる。
「だれと交換したんですか……?」
「だれって、優衣と……」
優衣、なんて単語を発した途端に目の色が変わった。
話の途中に急に持っていた段ボールを地面に置いたら。
なぜか自分のはちまきを解く晴海くん。
「いやです。キャンセルしません」
「な、なんで??」
「なんでもなにも、先に今川さんと予約したの俺ですから」
晴海くんの手がわたしの頭にも回ってスルッとはちまきが抜ける。
そしたら自分のはちまきをわたしの頭に結んだ。
晴海くんは係の仕事中。
周りには同じく係の人もいっぱいいた中ではちまきは交換された。
「しかも普通に人のはちまき巻いてる今川さんなんて嫌ですよ」
行動から発言まで、他人から見たら誤解されてしまう。
でもそんなの全然気にしないのが晴海くん。
わたしはただ茫然と立っている。
はちまきは晴海くんのものへと変わった。



