色々追いつかなくて口を魚みたいにパカパカ開け閉めしてたら、そのままスマートに唇が重なるから、優衣はわたしが思っている以上に慣れているのかもしれない、なんて考えちゃうのに。
「優衣、顔赤いね」
「……お互い様でしょ」
目の前の顔の赤い初な反応の優衣も否定したくない。
そんなクラクラしちゃうような空間に。
「優衣く~ん?」
なんて声が聞こえてきたのはすぐのことだった。
ドン!!
遠くから人の声がしたから思わず優衣を突き飛ばす。こんな状態を他の人に見られる訳には行かない。
それに聞こえてきたのは「優衣くん」なんて言葉。
なんとなく察した。この学園の女の子たちは仲がいい人以外優衣のこと君付けする人なんていない。
ここにいてはいけない。なんとなく。
とっさに思ってからの行動力は早いもの。
こうなったら全力ダッシュよ。
「とりあえず、またあとで!!」
「は!?ちょっと!!」
絶対女の子の正体お見合い相手だもん!!
こんなところで二人っきりなんて変な誤解されるかもじゃん!!
いや、むしろ誤解でもないし!!
もうそれは全力ダッシュ。
短距離走のほうのやつ。
運動には自信はないけど火事場のバカ力ってやつで廊下から運動場からテントまで全力ダッシュ。



