「あのさ、朝陽」
「何ですか。菫」
「まさかだけど、あの集団の中に優衣いたりしないよね?」
「そのまさかなんじゃない」
わたしたちから見て2時の方向。
明らかに異質なぐらいの女子が集まっている。
あの中で何が行われているかなんてわたしには分からないけど絶対あの中には行きたくない。
「朝陽も人気だけどさ。
やっぱり優衣の人気はレべチだよね」
「あんなの逆にやりづらいよ」
「考えもんだねー」
外から見ているだけのわたしたちはそそくさとお弁当の準備をするけど、それと比例してあのエリアの黄色い声は増えていく。
「専属メイドの菫さん、助けてきたら?」
「いやだよ。
あんな軍団の中に突っ込めるメンタルがわたしは欲しかった」
専属メイドなんてもんも、あってもなくても変わんないような存在だし。
わたしがあそこに乗り込んで止める理由なんてない。



