「……どこ行くの?」
バタバタと。
わたしたちの足音が廊下に響いていて。
ときどきすれ違うメイドから驚いたような視線をあびながら、ついたのは階段の裏。
あのときあった涙も驚きで引っ込んじゃったし、どちらかといったら今は突然走ったから呼吸がつらい。
今は二人っきり。
静かな空間にわたしの息づかいだけが響いている。
優衣の口から最初に出た言葉は
「泣いてない?」
だった。
確認するみたいにわたしの顔をすくいとったら優しくまぶたを触られる。
きっとわたしが泣きそうだったからあの部屋から連れ出してくれたんだ。
でも優衣、どうしてくれるの。
わたし、優衣のせいで泣きそうにもなったんだし、第一こうやって色んな人に見られながら部屋を出ていくぐらいだったらあのとき泣いてた方がいいもん。
でも嬉しくて、でも怒ってて。
感情はぐちゃぐちゃのまま優衣を睨むとどこが申し訳なさそうに視線を下げる。
「……いろいろと、説明して」
久しぶりにきた階段裏。
小さな頃は優衣とかくれんぼをして遊んでいた時ここによく隠れていたっけ。



