なにを今頃ショックを受けているのか、自分でも全然分からなくて。
ショックを受けていることに1番驚いていた。
優衣がお見合いすることなんてそれこそ優衣のメイドになった時から知ってたことだし。
今までメイドとしていっぱい練習してきたことは将来優衣の奥さまの専属メイドになるためのものだし。
そうわかった途端に、全身の水分が目に集中し始めて焦って、あわあわ心も何もかも乱れて。
そのとき、テーブルクロスで隠れたテーブルの下でぎゅっと手が握られる。
横を見ると心配そうにこっちを見ている優衣。
それが鍵にだったのかな、『だめだ』っと思った時には涙が表面張力に負けて。
「ゆい。」
そう言い終わるのが先か。
優衣がわたしの手を思いっきり上に引き上げるのが先か。
「すみません!」
と優衣の言葉が部屋に響いた時には、わたしたちはもう足を動かしていて、ガチャっと優衣が開けてくれた扉から部屋を出ていた。



