近距離恋愛はむずかしい



「……」



いろいろと情報量の過多で言葉が出なくて、ひたすら優衣だけを無言で見つめてしまう。


でもつい口からこぼれてしまったのは



「……お見合い」



だった。



わたしの声を聞いた優衣が分かりやすく肩がビクッと動いた。
まるで図星でもつかれたみたいに。



そんな優衣を見たらストッパーが綺麗に外れてしまったみたい。



優衣へと向いていた体を真正面へと向き直して、姿勢を正す。

急に動き出したわたしに優衣が驚いて



「おい、菫」




とか言ってわたしを止めようと手を伸ばすけど、それよりも先に。



「お見合いのお話って詳しく聞いてもよろしいですか」



わたしの言葉を聞いた奥さまがまた目を丸くして。



「あら、聞いてないの?」

「はい、聞けるものなら今聞いても?」

「同じステラに通っているお嬢さまで、会社にも大きな利益を与えてくれる財閥の娘さんなの。そして…」



スラスラと奥さまの口から出てくる単語を頑張って咀嚼するけど、聞こえたくる言葉のレベルが違くてだんだんめまいがしてくる。