近距離恋愛はむずかしい








大理石で出来た床にお城にでもありそうな豪華なテーブルと食器。

天井にはキラキラ輝くシャンデリアが眩しくて、目がチカチカしてしまう。



いくら来ても慣れないこの場所は屋敷にあるお客様用の食事室。

奥さまや旦那さまが帰ってきた日はここでレストランさながらの食事を食べて歓迎するのが恒例行事。



真っ白なテーブルクロスの引かれた四角いテーブルに向かい合うように座る優衣と奥さま。



使用人のみんなも久しぶりのことで、緊張でどこかピリピリしてて、わたしもごくんとつばを飲むような空間。



みんなが横目でテーブルの方の様子をコソコソと疑ってるとき。


奥さまが小さく息を吸って───。




「ゆいぃ〜!!すみれぇ〜!!会いたかったわぁ〜!」




緊張したな空気なんてポイッと。

軽く捨ててしまったような奥さまの声明るい声が広い食事室に響く。



途端に肩の力がスっと抜ける。


毎回毎回、同じ流れなのはわかってるけど、やっぱり奥さまの声を聞くまで気が抜けないよ。


そんなみんなの心の内を知らない奥さまは席を立つとわたしのところへ歩いてきて、大きく手を広げたかと思ったらぎゅっーと抱きしめる。