言いにくそうに言った優衣は目を伏せてわたしから視線を外す。わたしはぽかーんと表情を浮かべるしかない。
「…………え、奥さまが?」
数秒押し黙った末にやっと出た言葉。優衣はそれを聞くともっと顔を歪める。
「さっき突然連絡が来て……。1時間後」
「え?」
「1時間後に来る」
あぁーわたしはまた間抜けヅラを男の子に晒してるんだな。ハトが豆鉄砲を食らったような顔をしているであろうわたしをみて優衣はまた申し訳なさそうにする。
「ほんとごめん」
肩に置かれた手の力が弱まったと思ったら次はわたしの首に顔を埋める優衣。
………え?
「……っはぁー。母さんは何を考えてんだか」
驚くわたしをよそに優衣は盛大にため息をつく。吐いた息が首に触れてくすぐったい。



