近距離恋愛はむずかしい



また、バーコードリーダーを手にとってスキャンして


流れでその本を晴海くんに手渡す。


その時、今まで合わせないようにしていた目が今度こそバッチリと合った。




「あっ…………」

「…………………」



少しだけ、時間が止まった気がする。



もしかして、ずっとわたしのことを見てたの……?



そう気づいた瞬間から心臓がいやに鳴りはじめた。



晴海くんの茶色くてきれいな瞳に完全にとらわれて、呼吸の仕方を忘れて



気づいた時にはわたしの手にあったはずの本はなくなっていて



「どうぞ」



そう言って、本を生徒に渡す晴海くんの姿が目に入った。



「大丈夫ですか?先輩」

「あっ、うん」



急に冷静になって、静かに視線を前に戻す。



後輩相手に慌ててるわたしがなんか、ばかみたいだよ。