近距離恋愛はむずかしい



でも、普通は平然でいられるはずないよ?



頭の中に一気にあの日の光景が思い出される。


あの日、男の人にナンパされて。


でも、同じ学校の生徒に助けてもらって。


ショートケーキをもらった。



「なんで………」



小さく小さく、聞こえたかわからない声で思わず口からこぼれた。




だって、あの日の彼がいたから。





驚きで口も塞がらないってこのことだよ。そんな間抜けな顔をしたわたしを見て、男の子はさっきよりもにこにこ。



わたし、そんなひどい顔してるんだ……。



恥ずかしくなって、静かに彼から視線を外して完全にうなだれて。




「先輩、まずこの空いた口を閉じてください」

「あっ、うん……」

「そして、ちゃんと目を見てください」



なんて言われたかと思ったら、じっーと見つめられてるのがわかる。でも、わたしからは見つめられない。