近距離恋愛はむずかしい



そういえば2年生に挨拶してなかったよね。

向こうとしては当番にきたら知らない女がカウンターにいるという一種の恐怖体験。 


少しでも怪しいものとは思われないように。


「全然いいよ。
来てくれただけでうれしい」



なんて明るく言いながら声につられて顔を向けると。




「っ!!!」




顔だけが横を向いた状態でガチガチに固まる。

ドクンッと胸が大きくなって、心拍数が高鳴るのが嫌でもわかってしまう。



えっ、もしかして幻覚をみてるの?………


だって……なんでいるの??



パチリと会う瞳。

離せない。



今、自分がどんな顔をしているのか。そんなの想像もしたくないけど、目の前の男の子の吹き出しそうな顔を見たらなんとなくわかる。



焦げ茶色の髪を泳がせながら、小さく笑みをこちらに向けている一人の男の子。




「そんなお化けでも見たような顔しないでください」

「あっ、ごめん」