近距離恋愛はむずかしい



もう、こいつを猫らしく引っかいてやろうかな!!


朝陽を再度睨みつけて、反撃でもしようと少し腰を上げようとしたとき、わたしの手が優衣にぎゅっと握られた。


握られたことで動きがピタリと止まって、繋がれた手を見る。何も言わない優衣から推測するにこれは「やめろ」ってこと。


さすがにやりすぎた。と思って「すみません」っと言おうとしたとき。



「ねぇ、菫」

「………はい」



突然名前を呼ばれて、小さく細い声が出た。



「さっき朝陽と何してたの」

「え、ええと……」




これはどう答えればいいの?

だって正直に言うにも、どうやって言えば。

エスコートしてもらって、お姫様扱いしてもらって。



「ひ、ひみつ、です」

「秘密?」

「はい。秘密で」



そういうと、パッと手が離れてぎゅっと優衣に抱きしめられた。気づいた時には優衣の腕の中。



ちょっと、どうゆう………!!



優衣の頭がわたしの肩に置かれる、そしてわたしの耳元にわたしにしか聞こえないように言った。



「俺、もうだめかも」



その言葉の意味は最後までわからず、お茶会はあっけなく終わった。