狂愛×シンデレラ

 ☆

 シンデレラの姉たちが舞踏会へ向かうため、舞台袖へはけていく。
 その姿を立って見送るだけのシンデレラ。

 ――それがふと、舞台上へ向かう怜を見送るだけだった文化祭前日までの自分と、重なって。

 ぺたんと座り込む。

「わたし……わたし、本当は…………」

 ――1秒でも多く、怜をそばから見ていたい。

「…………舞踏会に、行きたい」

 絞り出すように、しかしはっきりとつぶやいた、その時。

「ふぉっふぉっふぉっ。汝のその願い、我が叶えようではないか!」

 どこからともなく声が響いた。

「だ、誰!?」

 舞台上にいるのはシンデレラひとりだけ。
 どこから声は聞こえているのだろう?

 観客席の後方から、何かが飛来し、舞台上に降り立った。
 ローブを着た金髪の少女――せいらだ。

「魔法使いとでも呼んでくれ。我の魔法で、汝が舞踏会へ行く手助けをしよう」