日曜の夜だった。
私は例の如く抱きしめられながら、空中を舞うペンによって次々と書類が捌かれていくさまを眺めていた。
「怜ってさ、私とまったく同じ外見の抱き枕があったらずっと抱きしめてるのかな」
普段、怜からの返答はまず無い。
だから私は油断していた。
怜の乾いた声が耳元で聞こえた。
「……その抱き枕を身代わりにして逃げ出そう、ってことか?」
「どうしてそうなる!?違うよ」
私だって怜と一緒に居たい。
話を変えたくなって部屋を見回す。
……そういえば。
「そうだ、クローゼットにシンデレラのときの衣装が残ってて。それを着てみる――のは難しそうだけど、また怜が王子の演技をしてるところが見たいから、せっかくだしロミオの衣装でも着て演ってみない?」
私は例の如く抱きしめられながら、空中を舞うペンによって次々と書類が捌かれていくさまを眺めていた。
「怜ってさ、私とまったく同じ外見の抱き枕があったらずっと抱きしめてるのかな」
普段、怜からの返答はまず無い。
だから私は油断していた。
怜の乾いた声が耳元で聞こえた。
「……その抱き枕を身代わりにして逃げ出そう、ってことか?」
「どうしてそうなる!?違うよ」
私だって怜と一緒に居たい。
話を変えたくなって部屋を見回す。
……そういえば。
「そうだ、クローゼットにシンデレラのときの衣装が残ってて。それを着てみる――のは難しそうだけど、また怜が王子の演技をしてるところが見たいから、せっかくだしロミオの衣装でも着て演ってみない?」


