……でもこんな状態ですら、怜と居られるのが嬉しいだなんて思ってしまう自分がいる。
ずっと抱きしめられているのも、もしかしたら、怜が私を手放したくないと思っている表れなんじゃないか、だったらいいなぁなんて思って、いまだにドキドキしている。
どこまでも怜は怜だから。
私が惚れたときの怜から変わったところがあっても、好き。
才能の代償なのかほとんど優しさを与えられてこなくて、世の中ぜんぶを疎んで。けれど、どれほどつらいときも矛先を他人に向けることなく、ひとりで押し込めて耐えてしまうようなひと。
ひとりで押し込めて耐えられるだけの才能を、運悪く持ち合わせてしまったひと。
それが怜の第一印象だった。
怜にも優しさが与えられるべきだ。誰も優しくしないなら私が。
いつか、怜がつらくなったとき誰かを頼れるように。誰もいないなら私が。
なんて大それた使命感を抱いて接していたら、初めて心からの笑顔(らしきもの)を向けてくれた時に、それはもう、ずっきゅーんと。
という経緯があったせいなのか、今、怜が異常行動という形で、感情を押し込めずにちゃんと主張してくれるのが、嬉しい……ような気がする。
私もとっくに狂ってしまっていたのかもしれない。
そんなことを思っていたある日、せいらと話す機会があった。
ずっと抱きしめられているのも、もしかしたら、怜が私を手放したくないと思っている表れなんじゃないか、だったらいいなぁなんて思って、いまだにドキドキしている。
どこまでも怜は怜だから。
私が惚れたときの怜から変わったところがあっても、好き。
才能の代償なのかほとんど優しさを与えられてこなくて、世の中ぜんぶを疎んで。けれど、どれほどつらいときも矛先を他人に向けることなく、ひとりで押し込めて耐えてしまうようなひと。
ひとりで押し込めて耐えられるだけの才能を、運悪く持ち合わせてしまったひと。
それが怜の第一印象だった。
怜にも優しさが与えられるべきだ。誰も優しくしないなら私が。
いつか、怜がつらくなったとき誰かを頼れるように。誰もいないなら私が。
なんて大それた使命感を抱いて接していたら、初めて心からの笑顔(らしきもの)を向けてくれた時に、それはもう、ずっきゅーんと。
という経緯があったせいなのか、今、怜が異常行動という形で、感情を押し込めずにちゃんと主張してくれるのが、嬉しい……ような気がする。
私もとっくに狂ってしまっていたのかもしれない。
そんなことを思っていたある日、せいらと話す機会があった。


