奇妙な状況だった。
思春期の女が、同じく思春期の男にずっと抱きしめられている。
抱きしめられているだけ。それ以上でも、それ以下でもなかった。
それはベッドの上でも続いていた。
――怜は、私をどうしたいのだろう。
けれどその問いを口にできるほど私は大人ではなかった。
言葉を飲み込む。
どこかで必ずこの危うい均衡は崩れるだろうけれど、わざわざ崩壊タイミングを前倒しする必要はないと思った。
ある種の思考放棄だった。
思春期の女が、同じく思春期の男にずっと抱きしめられている。
抱きしめられているだけ。それ以上でも、それ以下でもなかった。
それはベッドの上でも続いていた。
――怜は、私をどうしたいのだろう。
けれどその問いを口にできるほど私は大人ではなかった。
言葉を飲み込む。
どこかで必ずこの危うい均衡は崩れるだろうけれど、わざわざ崩壊タイミングを前倒しする必要はないと思った。
ある種の思考放棄だった。


