狂愛×シンデレラ

 声の主は光石せいらだった。

「あなた、何か心当たりはありまして?」

 たぶん、白銀怜の変化についての話だ。みんなは白銀怜の変化に気づいてないから、いきなり口に出したら混乱が起こりそうだし、伏せたんだろう。

 ……でも、そのセリフじゃ「なにかトラブったら原因はあたし!」って決めつけられてるみたいでなんか不快なんですけど。
 高1のときを振り返れば自業自得だけどさあ。

 さてここで、あたしにはひとつ目論見があった。

 ――光石せいらなら、ひよりちゃんと白銀怜に介入できるかもしれない。

 だから、せっかく話しかけてくれたこの機会に、あたしがさっきまでしていた妄想を話したい。

 とはいえ。
 光石せいらがあたしに尋ねたのは、心当たり。
 この妄想も心当たりっちゃ心当たりかもだけど。
 そもそも白銀怜についての話かも断言してないし、なんと言うべきか。 

 いずれにせよ、ここでサッと話せる内容じゃない。

「あるにはあるけど。光石さんが期待する内容かはわからないし、ここで話せることじゃないから」

 なるべく冷たく、話を断ち切るように告げる。本当は話したくて話したくて仕方ないけど、それを表に出すと退学ルートが近づくから、頑張って隠す。

「であれば放課後、場所を変えてお話しませんか?」

 光石せいらの言葉に、あたしは頷いた。
 ほら、光石せいらはちゃんと真面目に汲み取ってくれる。
 こういうところが光石せいらさんがみんなに信頼されるゆえんなんだろうね。


 ……カッコよく言ってみたものの、ゆえんって言葉の使い方はこれでよかったっけ。
 調べてみるか。

 合ってそう。

 なんだかあたしも真面目ちゃんになりつつあるなぁ。