狂愛×シンデレラ

『すぐに承諾してほしいとは言いませんが、決定事項ですので。役割決めのアンケートも出す必要はありません』

 などと言い残して、光石せいらは教壇へ戻った。

 ……はぁ。

 恋愛モノの主演をすること自体はまあ良い。
 今までは目立つたびに義母の嫌がらせが悪化していたけれど、あいつらは多分ひよりを奪って満足している。だから、俺に干渉できないように隔離されているはずだから。

 ただ、相手役がひよりじゃないことが不快で仕方がない。
 それもよりによって光石せいらなのが。
 いや、もしかして俺を絶対に好きにならない奴なだけマシなのか……?

 錯乱しながらも脚本を読んでみる。