これもウワサなんだけど。
あたしが春休みに青空ひよりちゃんと帰省していたあいだに、光石せいらはもう理事長(白銀怜の実のお父さん)への告発を済ませていて、あとは青空ひよりが戻ってくるのを待つだけといった状況だったらしい。
けれど、告発が済んでも、光石せいらの表情は明るくならなかった。
どうやら、その告発の場で、白銀怜のおにーさんからビデオ通話があって。
『せいら。君が僕の行く手を阻むのなら――僕は対価として、君の大切な人を奪い去ることにするよ』
と言われたらしい。
ひよりちゃんの身に危険があったのは事実だけど、それは単なる白銀家のいざこざで、光石せいらは関係ない。なのに、白銀怜のおにーさんが「ひよりちゃんが危ない」とほのめかしたのは、どうせ、光石せいらの表情が歪むところを見たかっただけなんだろう。
でも光石せいらはマジメで、「青空ひよりが居なくなった原因の一部は自分にある」と落ち込み、つい昨日まではふさぎ込んでいた。
つい昨日までは。
あたしが春休みに青空ひよりちゃんと帰省していたあいだに、光石せいらはもう理事長(白銀怜の実のお父さん)への告発を済ませていて、あとは青空ひよりが戻ってくるのを待つだけといった状況だったらしい。
けれど、告発が済んでも、光石せいらの表情は明るくならなかった。
どうやら、その告発の場で、白銀怜のおにーさんからビデオ通話があって。
『せいら。君が僕の行く手を阻むのなら――僕は対価として、君の大切な人を奪い去ることにするよ』
と言われたらしい。
ひよりちゃんの身に危険があったのは事実だけど、それは単なる白銀家のいざこざで、光石せいらは関係ない。なのに、白銀怜のおにーさんが「ひよりちゃんが危ない」とほのめかしたのは、どうせ、光石せいらの表情が歪むところを見たかっただけなんだろう。
でも光石せいらはマジメで、「青空ひよりが居なくなった原因の一部は自分にある」と落ち込み、つい昨日まではふさぎ込んでいた。
つい昨日までは。


