バイトで生活費と学費を稼ぎながら通信制高校の課題をこなす、いわば「限界高校生」をやっていたころ――あたしは白銀怜のおにーさんと出会った。
コンビニバイトのお客様か、それとも家に押しかけてきたのかは記憶にない。
でも、その時、白銀怜のおにーさんがあたしの家庭事情をすべて把握していたのはハッキリ覚えている。
「見たところ、お金に困っているようじゃあないか。借金の建て替えと、毎月の生活費の仕送りをするから、頼みを聞いてほしい……と言ったら、断るかい?」
「頼みの内容を聞いてからじゃないと決められないか。――白銀学園に入学して、僕の指示した人間の恋仲を引き裂いてほしい。具体的に誰かと言うと、そうだな」
彼はあたしの目をまっすぐ見て、それから、にやりと笑って。
「白銀怜、とか?」
心臓がドクンと鳴った気がした。
あたしと白銀怜との血縁関係すらバレていた。
どうやらこの男は、あたしを心の奥底まですべて知り尽くしたうえで、この話を持ちかけたらしい。
とんでもないことを頼まれているなとは思った。
けれど、あたしは迷わずうなずいた。
その理由は、さっき言った金銭面もあるけど、もっと大事なのがひとつあって。
コンビニバイトのお客様か、それとも家に押しかけてきたのかは記憶にない。
でも、その時、白銀怜のおにーさんがあたしの家庭事情をすべて把握していたのはハッキリ覚えている。
「見たところ、お金に困っているようじゃあないか。借金の建て替えと、毎月の生活費の仕送りをするから、頼みを聞いてほしい……と言ったら、断るかい?」
「頼みの内容を聞いてからじゃないと決められないか。――白銀学園に入学して、僕の指示した人間の恋仲を引き裂いてほしい。具体的に誰かと言うと、そうだな」
彼はあたしの目をまっすぐ見て、それから、にやりと笑って。
「白銀怜、とか?」
心臓がドクンと鳴った気がした。
あたしと白銀怜との血縁関係すらバレていた。
どうやらこの男は、あたしを心の奥底まですべて知り尽くしたうえで、この話を持ちかけたらしい。
とんでもないことを頼まれているなとは思った。
けれど、あたしは迷わずうなずいた。
その理由は、さっき言った金銭面もあるけど、もっと大事なのがひとつあって。


